障がい者の就労の促進を目指す研究室
5年に1回行われる厚生労働省の障がい者実態調査によれば、全国の障がい者(手帳を有する視覚障がい者)数は31.5万人でした。また就労率は約8%で約2.5万人が職についている計算です。横浜市内には約6,000人の視覚障がい者が暮らしていますので、概算で480人が就労していることになります。
つまり6,000人中5,520人が失職もしくは無職の状態です。将来的に当事業の協力者をスタッフに採用し雇用の創出を図りたいと考えています。視覚障がい者の大半は中途失明者で過去の就労経験も豊富で視覚以外体力や知力があります。
障がい者雇用の法律が改訂され、2019年には事業者は2㌫から2.3%の障がい者を雇用することが定められましたが、視覚障がい者に至っては今だに低水準の就労率です。一人でも多くの視覚障がい者の雇用を目指しています。
社会適応が最も難しいとされる視覚障がい者層の就労率は聴覚障がい者を下回る8%と聞きます。この事業では針灸マッサージ等の特殊技術の仕事でなく、生活の工夫やセンスを活かせる仕事を提供します。モニターとして臨時の仕事だけでなく、研究員として継続的な雇用が可能です。
モニターから研究員に
マーケティングリサーチを進めるにあたって、視覚障がい者と正眼者にモニター登録をお願いします。その中から、ともに事務局を担当いただく人を募り、「研究員」になっていただくことを考えています。
事務局の主な仕事は、視覚障がい者が行う「音声化」、「活字化」、正眼者が行う「見える化」「見せる化」です。
<障がい者が行う事務局の仕事>
「音声化」とは顧客接客や電話対応などで音や声でまかなえる仕事です。
「活字化」とは書類の作成など音声ソフトを使いパソコン操作をする仕事です。
<正眼者が行う事務局の仕事>
「見える化」とは視覚障がい者が歩行で困っている時の同行援護や書類の読み上げをする仕事です。
「見せる化」とは、顧客などに提出する書類やHPのPRで写真や図、グラフやカラー部分の作成が主な仕事です。
尚、事務局に所属する障がい者を「研究員Aグループ(以後研究員A)」、晴眼者を「研究員Bグループ(以後研究員B)」とします。モニターだけでなく、研究員になって事務局を担ってもらうことで、仕事に積極的に取り組んでいただく仕組みを作ります。
<2016年現在の研究員の状況>
◆研究員Aグループ 現在20名
・構成内容 障がい等級 第1種第1級17名、第1種第2級3名
障がいの特徴と原因の事故病名 事故0名、緑内障3名、白内障5名、糖尿病2名、ベーチェットC病2名、網膜色素変性症5名、レーベル病2名、先天性全盲原因不明1名
年齢 10代0名、20代0名、30代2名、40代7名、50代4名、60代4名、70代2名、80代1名
性別 男性7名、女性13名
・仕事内容(詳細)
モニターが主な仕事です。フェイスシートの内容により障がいの等級、程度、原因の事故病気の特徴、年齢、性別、交通の便を考え各実査地に配属します。
次の仕事はできる人がもちまわりで仕事をします。
「音声化」コンサルティング業務アイデアの提供、事業所相談業務、実査進行係、実査会場担当者との打 ち合わせ
「活字化」あいさつ文、調査票、回答などの活字書類の作成、音声ソフト使用のPCメールやネット活字情報処理
◆研究員Bグループ 2016年現在15名
・構成内容 特に職業(学生)、資格特技趣味などの専門性に着目しました。
職業 医師1名、栄養士1名、薬剤師1名、元看護師1名、介護福祉士6名、会社員1名、福祉ボランティアパソコン指導1名、障がい者就労支援員パソコン指導1名、団体職員2名
・仕事内容(詳細)
モニターが主な仕事です。次の仕事はできる人がもちまわりで仕事します。
「見える化」視覚障がい者の補佐や介助の仕事です。企画運営会議・打ち合わせ、反省会等の会議の室内の移動支援や会社訪問・取引先との打ち合わせ・実査会場の下見・担当者との打ち合わせ・モニター実施当日の同行援護
「見せる化」イラストや写真入りのHPやポスター、カラーパンフレットやDMの作成
書類等プリント類の印刷
リサーチの際の調査員