ヨコハマSASユニバーサルデザイン研究室とは

40代まで健常者として、デザイナー、美術教師、造形作家としてのキャリアを過ごしながら、現在は重度の視覚障がい者として活動する代表 鈴木佐知子が、そのキャリアを生かして運営するユニバーサルデザイン(UD)研究室です。障がい者と健常者が協働するところに大きな特長があります。授業内容は次の通りです。

  1. ユニバーサルデザインの商品やサービスの開発、併せて市場調査等リサーチを行います。
  2. 展示会企画運営及び作品販売、特に障がい作家の展示企画及び作品販売を中心に行います。

SAS研究室のメリット

  1. 障がい者の立場で丁寧な提案、
    晴眼者との協業で信頼と安心の結果を提供できます。
  2. 盲女美術家のユニークな企画運営
    健常者では気づかない問題点を伝えます。代表の経験と実績をフルに発揮してまいります。
  3. 企業イメージアップ
    私たち障がい者グループとの協業は、社会貢献につながり、企業印象に好感度をプラスします。

代表ご挨拶

ヨコハマSASユニバーサルデザイン研究室 代表:鈴木佐知子


(写真114)

代表の鈴木佐知子と申します。

これまで、私は二十代はデザイナー、三十代から美術科教師、造形作家として30年あまりにわたり活動してまいりました。しかし、網膜の病気が進行し平成19年には行政より、「重度の視覚障がい者」として認定されました。

それまで、私の仕事はすべて視覚によって成り立つ職業でしたから将来の道が閉ざされたという思いに、大きく落胆と挫折を味わいました。10年を経て、美術のキャリアに、視覚障がい者の個性をプラスして盲女美術家として、2017年9月にユニバーサルデザイン研究室を開設するはこびとなりました。障がいの社会モデルに基づき「平等と感謝の精神」をもつ研究室を目指します。

ユニバーサルデザインの用語は数十年前にアメリカから導入された概念でした。しかし、我が国においては、すでに日本人の心にある伝統的な考え方でした。それは、日本古来の茶道の精神と相通じるものでした。「一つの空間で招いた人々を平らにもてなす。

集まった全ての人に楽しく快適な場所と時間を提供する」の考え方は、真にユニバーサルデザインの考え方に他なりません。つまり新しい考えですが、元々日本には、伝統的な振る舞う姿勢がありました。

創業のきっかけ

バリアフリデザインの限界


(写真112拡大機操作)

リハビリテーション訓練を受けました。

歩行訓練・日常生活支援訓練・音声ソフト対応パソコン訓練の中で弱視の私にバリアフリー商品が紹介され、「拡大機」で念願の本を読むことができました。

しかし、喜んだのもつかのま、この機械は紙ベースの活字に反応しますが、家電などの操作表示や液晶画面には対応しないことがわかりました。

このようにピンポイントターゲットのバリアフリーデザインは見る対象が変わるごとに開発経費がかさむために価格が一般商品の数十倍になるのは当然かもしれません。

バリアフリーデザインの限界を知りました。

ユニバーサルデザインとの出会い


(写真113タブレット操作)

「拡大機」の機能はカメラの働きを応用したものです。

タブレットにもそれに似た機能があります。画像を拡大するアプリを使い、同じような結果を得ることができます。「拡大機」は価格は20万円前後です。タブレットは多機能でありながら数万円で購入できます。

このタブレットをわずかの改善で鮮明にうつる「拡大機」の機能を備えることができるのです。

できるだけ「すべての人」のくらしが快適で楽しいものになるにはUDの向上と広がりが必要不可欠で、つくる過程に消費弱者のチェック機能がなければならないと痛感しました。

これが業界参入を志すきっかけとなった動機です。

推薦文

日本視覚障害者団体連合、青年協議会元会長、現参与
全盲の弁護士 大胡田 誠氏

鈴木佐知子さんの事業を推薦します。

鈴木さんが横浜の公立中学校で美術の先生をしていた時から交流がありました。

家庭をもち、大きなハンディを抱えて常勤で勤務するのは大変な困難があったと想像できます。

そのころからUDに関心をお持ちで「ガイドロボット」の開発を口にしていました。

美術家でもあるためか発想が豊かです。あわせて最後まであきらめない努力家です。

夢のある仕事に期待しています。

認定NPO法人タートル元理事長
下堂薗 保氏

(写真115)予定

「ヨコハマSASユニバーサルデザイン研究室」という新しい研究室が平成29年9月に旗揚げしました。

代表者は、中途で視覚障害者になった、デザインに造詣の深い鈴木佐知子さんです。

研究室は、デザイン関係のプロの立場から「ユニバーサルデザイン」(UD)に焦点を当てて、視覚障害者はもとより弱者に喜ばれる使いいい商品や建造物等に対する調査研究を目指しています。

「UD」は社会的にはいろんな場面で言われてきましたが、視覚障害当事者であって専門家でもある鈴木代表が目指すところに、私自身中途視覚障害で一般事務職で定年まで勤めてきた者にとっても将来的に真に大きな魅力と意義を感じています。

つきましては、今後の「ユニバーサルデザイン研究室」の発展に期待感をもって、モニター登録を推薦するものであります。

皆様方の積極的な登録を期待申し上げます。